原作者：デビッド・プエルアーク・インベストのアナリスト
Odaily Planet Daily（ @OdailyChina ）がまとめました
翻訳者: CryptoLeo ( @LeoAndCrypto )
編集者注:
今年初め、ビットコインの「筋金入りの強気派」でウッドシスターのアーク・インベストは、「ビッグ・アイデアズ2025」レポートを発表した。その中で、ビットコインが2030年に達成すると予想される3つの価格目標、すなわち30万ドル（弱気市場）、71万ドル（ベンチマーク市場）、150万ドル（強気市場）が挙げられた。当時は、市場の予想をはるかに超える価格（プランBと同じくらい突飛な価格）を「ただ叫んだ」だけで、実際の見積もりのプロセスは明らかにしていませんでした。
2か月後、Ark Investはついにビットコインの2030年の価格目標に関するモデリング手法と論理的仮定を発表しました。このモデルは、ビットコインの潜在的市場規模（TAM）と普及率（人気またはシェア）を通じて、2023 年のビットコインの価格を予測します。
さらに励みになる（そして誇張された）のは、Ark Invest が作成したビットコインのアクティブ供給指標に基づく計算で、2030 年のビットコインの価格が 50 万ドル（弱気市場）、120 万ドル（ベース市場）、240 万ドル（強気市場）になると予測されています。これらの TAM または普及率のいずれかが期待を下回った場合、ビットコインはこれらの価格目標に到達しない可能性があります。したがって、このモデルには、ある程度のリスクとバイアスも存在します。以下は、Odaily Planet Daily がまとめたビットコインの価格予測の具体的な詳細です。
価格目標と前提
当社の目標価格は、次の式に基づく 2030 年末の TAM (Total Addressable Market) 貢献の合計です。
Odaily Planet Daily Note: この式は、市場の需要とビットコインの流通量の動的な関係を定量化することで、2030 年のビットコインの価格を予測します。ビットコインの価格は、市場セグメントの最大ドルベンチマーク需要規模にその市場におけるビットコインの普及率を掛け、ビットコインの流通供給量で割ることによって計算され、すべての市場セグメント（セグメント/概念については以下を参照）の価格が合計されて、2030 年のビットコインの予測価格が算出されます。
当社の供給量推定は、2030年までに採掘される約2,050万BTCに相当するビットコインの流通供給量に基づいています。各変数の価格目標への寄与は次のとおりです。
推定資本蓄積への寄与（主なもの）
1. 主にスポットETFを通じた機関投資。
2. ビットコインは一部の人々から「デジタルゴールド」と呼ばれています。金と比較すると、より柔軟かつ透明性の高い価値保存手段です。
3. 新興市場の投資家は、インフレや通貨の下落から身を守ることができる安全な避難場所を求めています。
推定資本蓄積への寄与（軽微）:
4. 国庫準備金。他の国々も米国の例に倣い、ビットコインの戦略的準備金を確保しています。
5. 企業財務準備金。ますます多くの企業がビットコインを使用して法定通貨の現金を多様化しています。
6. ビットコイン チェーン上の金融サービス、従来の金融の代替としてのビットコイン。
デジタルゴールド（ビットコインの最も直接的なゼロサム競合相手であるためモデルでは除外）を除き、上記の貢献者（具体的には1、3、4、5）のTAMは今後6年間で3%の複合年間成長率（CAGR）で成長すると保守的に想定しています。 6 番目の貢献者であるビットコインのオンチェーン金融サービスについては、2024 年末までの累積値に基づいて、6 年間の CAGR が 20% から 60% の間になると想定しています。
Odaily Planet Daily 注: この式は、2024 年のビットコインの合計価値と複合年間成長率によって、6 年後のビットコイン TAM を計算し、それを 2030 年のビットコインの流通供給量で割って価格を計算します。
最後に、TAM と浸透がそれぞれ弱気、ベースライン、強気の価格目標にどのように貢献するかを次のように説明します。
上のグラフに示されているように、「デジタルゴールド」は弱気シナリオとベースラインシナリオに最も貢献し、機関投資は強気シナリオに最も貢献しています。興味深いことに、国庫、企業財務、ビットコインのオンチェーン金融サービスは、各シナリオにおいて比較的貢献が少ない。以下の表では、弱気、ベース、強気の各シナリオに対する、6 つの予測資本蓄積源の相対的な貢献を詳細に示しています。
Odaily Planet Daily Note: 以下のチャートは、2030 年の市場セグメントの推定 TAM、3 つの市場条件下でのビットコインの普及率、および上記のチャートの寄与率です。
1. 資本蓄積への潜在的貢献者：機関投資
ステートストリートによれば、世界市場ポートフォリオは次のように定義されています。
すべての投資可能な資本資産の市場価値をすべての資産の市場価値の合計で割ったもの。投資家と発行者、そして資本の供給者と需要者の集団的決定から生じるすべての保有の合計として、世界市場のポートフォリオは、世界中のすべての投資家が利用できる投資可能な機会セットの実際的な表現として考えることができます。
2024年までに、世界のポートフォリオのTAMは約169兆ドル（金の3.6%のシェアを除く）になります。年間複合成長率3%を想定すると、その価値は2030年までに約200兆ドルに達するでしょう。
我々は、弱気市場での浸透率をそれぞれ1％、ベンチマーク市場での浸透率を2.5％と想定しており、どちらも現在の金のシェア3.6％を下回っています。したがって、弱気市場とベンチマーク市場はビットコインの採用に対する保守的な見方を表しています。より積極的な強気シナリオでは、ビットコインの普及率は6.5%に達し、現在の金のシェアのほぼ2倍になると想定しています。
2. 資本蓄積への潜在的貢献者：デジタルゴールド
デジタルゴールドの貢献は、金の現在の市場価値に対する TAM の比率を想定しています。示されたプラスの普及率を考慮すると、2030 年の金の予想 TAM は成長せず、その結果、期待価値が下がると想定されます。ビットコインはデジタルゴールドとして普及する魅力的な物語であると信じています。
3. 資本蓄積への潜在的貢献者：新興市場の安全資産
新興市場安全避難所TAMは、すべての発展途上国（IMF/CIAの定義によれば「非発展」経済とも呼ばれる）の通貨基盤に基づいています。ビットコインのこの使用例には、資本増加の可能性が最も高いと私たちは考えています。ビットコインは価値保存の特性に加え、参入障壁が低いため、インターネット接続を持つ個人に、米ドルなどの防御的な投資とは異なり、時間の経過とともに資本の増加をもたらす可能性のある投資オプションを提供します。これにより、購買力が維持され、国の通貨の価値下落を回避できます。
Odaily Planet Daily 注: 「M2」は、米国のマネーストックを測定する指標であり、 M1 (銀行以外の一般人が保有する通貨と預金、当座預金、トラベラーズチェック) に加えて、貯蓄預金 (マネー マーケット預金口座を含む)、100,000 米ドル未満の小額定期預金、および小売マネー マーケット ミューチュアル ファンドの株式が含まれます。
4. 資本蓄積への潜在的貢献者：国庫
エルサルバドルとブータンは現在、国家レベルでのビットコイン導入で世界をリードしているが、戦略的ビットコイン準備金の支持者が増えている。特にトランプ大統領が就任し、3月6日に米国内にBTC準備金を設立する大統領令を発令して以来、その傾向は強まっている。当社の弱気シナリオおよびベースケースの想定は保守的ですが、米国のシナリオは、7% の浸透率という強気シナリオの想定をさらに裏付ける可能性があると考えています。
5. 資本蓄積への潜在的貢献者：社債
2020年以来、マイクロストラテジーがビットコインの購入に成功したことに触発され、他の企業もビットコインを企業財務準備金に組み入れるようになった。 2024年末までに、74社の上場企業がバランスシート上に約550億ドル相当のビットコインを保有しました。これらの企業の BTC 戦略が今後 6 年間で成功すれば、弱気シナリオとベースライン シナリオにおける保守的な普及率の想定 (それぞれ 1% と 2.5%) は、最終的に強気シナリオの 10% に近づく可能性があります。
6. 資本蓄積への潜在的貢献者：ビットコインオンチェーン金融サービス
ビットコインのネイティブ金融サービスは、資本蓄積への新たな貢献者になりつつあります。顕著な例としては、ビットコインの取引容量の拡大に特化したライトニング ネットワークなどのレイヤー 2 サービスや、ビットコインが分散型金融に参加できるようにするイーサリアム ネットワーク上のラップド BTC (WBTC) などがあります。このようなオンチェーン金融サービスは、ビットコインエコシステムのますます重要な機能になりつつあります。したがって、現在から 2030 年までのベースライン市場 CAGR が 40% というのは現実的な予測であると考えています。
ARKの想定は、ビットコインの供給量に適用される。
ARKのBig Ideas 2025レポートには含まれていませんが、他の実験的なモデリング手法では、2030年のビットコインの価格を推定しています。ある手法では、ビットコインのオンチェーンの透明性を利用して、失われたビットコインや長期保有されたビットコインを数えることで、ビットコインの流動的な供給量（私たちはこれを「アクティブ」供給量と呼んでいます）を推定します。
この方法論によれば、アクティブ供給量は、2030年のビットコインの予想供給量に、時間の経過とともに0％から100％に移動したビットコインの量を測定する「アクティビティ」指標を掛けることによって計算できます。言い換えれば、以下に示すように、資産の真の「フロート」です。
図に示されているように、ビットコインのネットワークアクティビティは2018年の初めから60%前後で推移しています。このレベルのアクティビティは、供給量の約40%が「保管されている」ことを示唆していると考えられます。この概念については、ARKのホワイトペーパー「Cointime Economics: ビットコインのオンチェーン分析のための新しいフレームワーク」で詳しく説明しています。
次に、同じベアおよびベースライン TAM と普及率を、アクティブ供給が 2030 年までに 60% に達すると予想されるシナリオ (活動が時間の経過とともに安定していると仮定) に次のように適用します。
これを基に、ビットコインのアクティブ供給とネットワークアクティビティを考慮していない基本モデルよりも約 40% 高い以下の価格目標に到達しました。
モデルによれば、新しい BTC アクティビティ指標に基づく 2030 年の BTC の推定価格は、50 万ドル (弱気市場)、120 万ドル (ベースライン市場)、240 万ドル (強気市場) となります。
重要なのは、このより実験的なアプローチを使用して構築された評価は、弱気、ベースライン、強気のシナリオで構築された評価よりも積極的であるということです。当社の公式価格目標はより保守的であるため、ビットコインの総供給量のみに焦点を当てています。それでも、このより実験的なアプローチは、ビットコインの希少性と供給の減少が今日のほとんどの評価モデルでは捉えられていないことを浮き彫りにしていると考えています。
余分な
ビットコインの評価とインフレ率を分析するための新しいシステムを提案する Cointime Economics フレームワークを簡単に見てみました。ビットコインの活発さと保管状態を通じてビットコインの経済状況と供給活動を計算し、ビットコインネットワーク内の取引活動と未使用コインの割合を測定することができます。これら 2 つの指標を使用して、ビットコインの供給量をアクティブな供給量と未使用の供給量に分類できます。
このフレームワークでは、「Coinblock」という測定単位も提案されています。 Coinblock コンセプトは、ビットコインのアクティビティを測定するための新しいオンチェーン分析指標のセットを提供します。コインブロックの数は、保有期間とビットコインの数の積を計算することで得られます。 「コインブロックの生成」「コインブロックの破壊」「コインブロックの保管」という3つの概念が導入され、これに基づいてビットコインのアクティビティやロックアップ度など一連の新しい経済指標が構築され、ビットコイン市場の動態変化と経済状況を測定します。さらに、このコンテンツでは、ケーススタディを通じて、Cointime Economics が市場評価モデルを改善し、供給活動を測定し、新しいモデルを作成する可能性を示しています。コインブロックのコンセプトとCointimeの経済フレームワークは、将来ビットコインの評価の主な基準になる可能性があります。ご興味のある方は、オリジナルのPDFをご覧ください。
