原作者: @samcallah
原文翻訳: 俗語ブロックチェーン
13Fの提出書類を調べたところ、私の計算では、2024年第4四半期にビットコインのロングポジションを保有している機関は1,573社ありました。
これらの機関には、銀行、ヘッジファンド、登録投資顧問会社 (RIA)、ファミリーオフィス、基金、年金基金、政府系ファンド、その他の資産運用会社が含まれます。主な調査結果は次のとおりです。
1. 13F ファイルとは何ですか?
詳しく説明する前に、13F ファイルとは具体的に何なのかを明確にしておきたいと思います。運用資産が1億ドルを超える大手投資会社は、四半期ごとに米国証券取引委員会（SEC）に13F書類を提出し、ETF、REIT（不動産投資信託）、オプション、転換社債などの米国株および株式関連資産の保有状況を開示する必要があります。
13F 提出書類には、米国株および株式関連資産における機関投資家のロングポジションのみが含まれることに注意することが重要です。
したがって、債券、不動産、商品、貴金属、調達投資（ヘッジファンド、ベンチャーキャピタルなど）、先物、スポットビットコイン、現金、外国株/通貨、ショートポジションなどの資産は除外されます。
したがって、13F 提出書類は、機関の投資ポートフォリオ全体を完全に反映するものではありません。
当該機関が他の資産クラスを保有しているかどうかを知る術はなく、またロングポジションが単に他のショートポジションをヘッジするために使用されているかどうかを判断することもできません。
私がこれを強調するのは、次にこれらの 13 F 提出書類におけるビットコイン保有量の大きさについて説明するためです。ただし、これらのデータは米国株式および関連資産に対する機関投資家の配分のみを反映していることに注意してください。
実際には、これらの機関が他の資産クラスにも投資していることを考えると、ビットコインの保有量はレポートに示されているよりも少ない可能性があります。
良い例としては、アブダビ政府系ファンドが最近、$IBIT（iShares Bitcoin Trust）の保有状況を開示したことが挙げられます。これは、これまでで最も興味深い13F提出書類の1つです。
この申請書によると、ビットコインはファンドの2番目に大きな保有資産であり、その額は約4億3,700万ドルとなっている。
しかし、ここで問題なのは…13F提出書類で開示されたAUMはわずか200億ドルだったのに対し、ファンドの実際の総AUMはなんと3,020億ドルだったことです。言い換えれば、13Fで報告された保有資産はファンドの総資産の約6.6％を占めるに過ぎない。
このファンドは米国株式市場だけでなく、世界中の複数の資産クラスに投資しているので、これは理にかなっています。
したがって、ビットコインは実際にはポートフォリオ全体の 2.1% ではなく、わずか 0.1% を占めることになります。しかし、それでも、これは非常に前向きな展開です。
これを考慮すると、13F提出書類における全機関のビットコイン保有量の中央値はわずか0.13%です。
これは非常に小さな割合ですが、前向きな兆候です。これは、ビットコインの機関による導入がまだ非常に初期段階にあることを示唆しています。ブラックロックが最近、資産の1～2％をビットコインに割り当てることを推奨したことを思い出す価値がある。
しかし、これらの投資会社の中には、同業他社よりもビットコインの配分比率が著しく高い機関がいくつかある。偶然にも、これらの会社のマネージャーは皆、優れた投資実績が証明されている業界トップの資産運用専門家である。
2. 注目すべき情報
ここでは、特に注目に値する 13 F 提出書類の一部を紹介します。
1) ホライゾンキネティクス
Horizon Kinetics の 2 番目に大きい保有資産はビットコイン (16.16%) で、そのエクスポージャーは約 13 億ドルです。この会社は、投資界で最も著名な人物の一人であるマレー・スタール氏が率いています。同社は2024年第4四半期のレビューで、ビットコイン保有のバランスを調整しなかった理由を説明した。
2) ブレイスブリッジ・キャピタル
同社の最大の保有資産はビットコイン（23.6％）で、そのエクスポージャーは約3億3,400万ドルとなっている。
ナンシー・ジマーマンが率いるブレイスブリッジ・キャピタルは、財団、年金、富裕層（HNWI）専用の資産を管理しており、過去20年間で最もパフォーマンスの良かった2つの基金、イェール大学とプリンストン大学のポートフォリオの一部を管理する責任を負っています。
3) チューダー・インベストメント・コーポレーション
チューダーの最大の保有資産はビットコイン（1.625%）で、そのエクスポージャーは約4億3600万ドルである。この申し立てはいくつかの見出しを飾り、確かに注目に値する。
ポール・チューダー・ジョーンズはこの世代で最も偉大な投資家の一人です。先月、彼はなぜまだビットコインを保有しているのかについても語った。
4) フォートレス・インベストメント・グループ
同社の4番目に大きい保有資産はビットコイン（11.2％）で、そのエクスポージャーは約7,000万ドルとなっている。アブダビの政府系ファンド（ムバダラ）が昨年フォートレスの株式68%を取得し、支配株主となったことは注目に値する。
したがって、実際には、これは UAE がビットコインに投資するためのさらなる一歩にすぎません。
5) ブレヴァン・ハワード
同社の2番目に大きい保有資産はビットコイン（8.74%）で、そのエクスポージャーは約14億ドルとなっている。ブレバン・ハワード氏のチームは長年ビットコインの熱心な支持者であり、この大手マクロヘッジファンドは長期保有（HODL）の技術をはっきりと理解している。
ビットコインは2022年の弱気相場で50%急落したが、億万長者のアラン・ハワード氏は自身の見解を堅持した…
6) ディスカバリー・キャピタル・マネジメント
同社の5番目に大きい保有資産はビットコイン（4.6％）で、そのエクスポージャーは約6,800万ドルとなっている。ディスカバリー社は、ジュリアン・ロバートソン氏やジョージ・ソロス氏と仕事をし、ピッツバーグ・スティーラーズの少数株主でもあるロバート・シトロン氏が率いる。
彼はかつて、なぜビットコインに興味を持っているのかを説明したことがある。
7) ジェリコ・キャピタル
同社の5番目に大きい保有資産はビットコイン（5.4％）で、そのエクスポージャーは約3億7800万ドルとなっている。ジェリコはジョシュ・レズニック氏が率いており、同ファンドの成長軌道は実に目覚ましく、2009年の3,600万ドルから現在では運用資産が70億ドルを超えている。
8) ハドソンベイ・キャピタル・マネジメント
同社はビットコインの0.15％を保有しており、そのエクスポージャーは約4,400万ドルに上る。しかし、本当に興味深いのは、このポジションではなく、悪名高いビットコイン空売りのヌリエル・ルビニ氏が実際に同社の上級顧問を務めているという事実だ。
彼らが彼のビットコインのアドバイスに従わなかったのは良かった！
9) ウィスコンシン州投資委員会
ここでの大きなニュースは、州の年金基金が最終四半期にビットコイン保有量を4倍以上に増やしたことだ。
第2四半期: 9,900万ドル、2,898,051株 (0.26%)
第3四半期: 1億400万ドル、2,889,251株 (0.26%)
第4四半期: 3億2,100万ドル、6,060,351株 (0.82%)
ポジションを上げて勝利を掴みましょう！
10) ミシガン州退職年金制度
しかし、ビットコイン保有量を増やしたのはウィスコンシン州だけではない。ミシガン州の年金基金もビットコイン保有量をほぼ倍増させた。
第2四半期: 660万ドル、11万株（0.03%）
第3四半期: 690万ドル、11万株（0.03%）
第4四半期: 930万ドル、10万株（0.05%）
まだ小さいですが、成長しています！
11) エモリー大学
同大学の2番目に大きい保有資産はビットコイン（32.3％）で、その額は約2,200万ドルに上る。基金のビットコイン保有量は前四半期から変わらず、ビットコイン価格が約50%上昇したにもかかわらず、積極的に保有量を調整しなかったことを意味する。
エモリー大学は保有を継続することを選択しました（HODL）。
12) パインリッジアドバイザー
同社の2番目に大きい保有資産はビットコイン（18.4％）で、そのエクスポージャーは約2億900万ドルとなっている。私はこの会社についてあまり詳しくありませんが、この規模のファミリーオフィスとしてはビットコインの割り当てが非常に集中しているため、言及します。
ちなみに、これは彼らのウェブサイトのインターフェース全体です。つまり、彼らが確かに「合法」であることがわかります。
13) 頭蓋骨の管理
同社の2番目に大きい保有資産はビットコイン（5.4％）で、そのエクスポージャーは約9億3600万ドルとなっている。欧州第4位のヘッジファンドは、元JPモルガンの債券トレーディング部門責任者であるヤン・フオ氏が率いている。
彼らの投資戦略は革新的で相関性が低い投資であり、ビットコインをロングしているのも不思議ではありません。
14) クレセット・アセット・マネジメント
ビットコインは、米国最大かつ大手の独立登録投資顧問会社（RIA）の1つであるクレセットの保有銘柄トップ30に入った。 Cresset は四半期ごとにビットコインの保有量を増やしています。
第2四半期: 保有額3,370万ドル（0.14%）
第3四半期: 保有額5,390万ドル（0.21%）
第4四半期: 保有額1億750万ドル（0.51%）
これは、ビットコインにおけるファイナンシャルアドバイザー（FA）の投資動向を測る上で注目する価値があります。
ビットコインETFを大量に保有している有名な機関については触れていないことにお気づきかもしれません。
ミレニアム（26億ドル、1.28%）
ジェーン・ストリート（24億ドル、0.52%）
サスケハナ（10億ドル、0.16％）
DE ショー (8億6,900万ドル、0.64%)
シタデル（4億4,600万ドル、0.08%）
ポイント72（1億5500万ドル、0.34%）
これらの機関は主に定量ファンドとマーケットメーカーであるためです。彼らのアルゴリズムは、原資産が何であるか、IBIT、META、GE、SPY、TLT のいずれであるかを気にせず、裁定取引の機会と市場の非効率性だけを探しています。
したがって、彼らは長期保有者ではなく、多くの機関投資家のビットコインのポジションはおそらくネット中立的であり、そのため彼らのエクスポージャーは私にとってあまり興味深いものではないと私は推測しています。
そうは言っても、私は彼らの市場での取引活動を依然として高く評価しています。 彼らの参加により市場の効率が向上し、売買スプレッドが狭まり、注文書が厚くなり、流動性が増すため、市場の運営がよりスムーズになります。
同じことは、ビットコイン ETF を保有する大手銀行の一部にも当てはまります。
JPモルガン: 964,000ドル (0.0001%)
ゴールドマン・サックス：23億ドル（0.37%）
ウェルズ・ファーゴ: 375,000ドル (0.0001%)
バンク・オブ・アメリカ：2,400万ドル（0.002%）
モルガン・スタンレー：2億5,900万ドル（0.02%）
JPMorgan Chaseなどの銀行は、多くのビットコインETFの公認参加者（AP）であり、マーケットメーカーとしても機能しています。 AP は ETF ユニットの作成と償還の責任を負っているため、バランスシート上に ETF ユニットを保有することはまったく普通のことです。
マーケットメーカーは、流動性の向上、市場取引の促進、価格設定の効率性の向上、ETF価格の正確性を確保するために、一定数のETF株を保有する必要もあります。
さらに、銀行は現在、連邦準備制度理事会による規制の対象となっており、銀行自身のバランスシートにビットコインを独自に保有することが禁止されている。具体的な規制については、こちらの公式文書「連邦準備制度の声明」を参照してください。
しかし、SAB-121 の廃止により規制環境は変化しています。これらの銀行の中で、最も目立っているのはモルガン・スタンレーだ。昨年8月、同行は金融アドバイザーが顧客にビットコインETFを推奨することを認めた初の大手銀行となった。
ゴールドマン・サックスも積極的に活動しており、資産運用部門を通じて富裕層の顧客にビットコインへの投資を何年も提供してきた。しかし、同社のトレーディングデスクがビットコインを保有している場合、市場中立型の裁定取引戦略（ベーシス取引など）を実行している可能性が高いと推測しており、これは真の意味でのネットロングではないことを意味します。
銀行規制が進化するにつれ、これらの大手銀行が今後数四半期でビットコイン保有量を調整し、ビットコイン市場への参加を拡大していく様子は、注目に値する動向となるだろう。
この点は特に注意する価値があります。
3. まとめ
全体的に、これらの 13 F 提出書類は、ビットコインが機関投資家レベルの資産になりつつあることを示しています。現在、ビットコインの市場規模と流動性は、これらの機関投資家を受け入れるのに十分な大きさです。
新しい投資ツールが次々と導入されるにつれて、これらの機関はビットコインに投資する方法が増え、機関による導入が加速するでしょう。
この記事ではビットコインの初期の機関投資家の一部を紹介しましたが、このトレンドはまだ初期段階にあり、将来的に大きなチャンスが残っていることを意味します。
数兆ドルの資産を運用する機関投資家は、まだ表面をなぞっただけで、ビットコイン市場への関与を始めたばかりだ。私の調査によると、前四半期の 13F 提出書類 8,190 件のうち、ビットコインのロング ポジションを開示した機関は約 19% のみでした。より多くの機関が市場に参入したり、既存の機関が割り当てを増やしたりすると、ビットコインへの資金流入によって価格が上昇し、投資家構造が完全に変化する可能性もあります。
